「かたじけなき御心ばへ」の現代語訳・口語訳・意味
原文
いと
はしたなきこと多かれど、
かたじけなき御心ばへの
たぐひなきを頼みにて
まじらひ給ふ。
現代語訳・口語訳・意味
(その女性は)大変きまりが悪いことが多いのですが、
恐れ多いほどの帝のご愛情が比べるものがない(ほど強い)のを頼りにして、宮仕えをなさっています。
品詞分解
| かたじけなき | ク活用の形容詞「かたじけなし」の連体形 |
| 御心ばへ | 名詞 |
主な出典
【源氏物語「桐壷・光源氏の誕生」】
唐土にも、かかる事の起こりにこそ、世も乱れ、悪しかりけれと、やうやう天の下にもあぢきなう、人のもてなやみぐさになりて、楊貴妃の例も引き出でつべくなりゆくに、いとはしたなきこと多かれど、かたじけなき御心ばへのたぐひなきを頼みにてまじらひ給ふ。