よろこぶ/喜ぶ/悦ぶ
このテキストでは、古文単語「
よろこぶ/喜ぶ/悦ぶ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
「よろこぶ」には
①バ行上二段活用
②バ行四段活用
の用法があるが、意味はどちらも同じである。中古以降、四段活用が一般的となった。
①バ行上二段活用
未然形 | よろこび |
連用形 | よろこび |
終止形 | よろこぶ |
連体形 | よろこぶる |
已然形 | よろこぶれ |
命令形 | よろこびよ |
■意味:自動詞
嬉しく思う、楽しく感じる、喜ぶ。
[出典]:万葉集
「こほろぎの待ち喜ぶる秋の夜を寝る験なし枕と我は。」
[訳]:こおろぎが待ちこがれ嬉しく思う秋の夜であるが、(相手もいなく)寝るかいもない。枕と私は。
②バ行上四段活用
未然形 | よろこば |
連用形 | よろこび |
終止形 | よろこぶ |
連体形 | よろこぶ |
已然形 | よろこべ |
命令形 | よろこべ |
■意味:自動詞
嬉しく思う、楽しく感じる、喜ぶ。
[出典]:
ゆく河の流れ 方丈記
「また知らず、仮の宿り、たがためにか心を悩まし、何によりてか目を
喜ばしむる。」
[訳]:またわからない、(生きている間の)仮住まいを、誰のために心を悩まして(建て)、何のために目を
嬉しく思わせようとするのか。