「ふく/吹く」の意味・活用・使用例【カ行四段活用】
このテキストでは、カ行四段活用の動詞「
ふく/葺く」の意味、解説とその使用例を記している。
「ふく」には
①
更く/深く
②老く
③吹く
④
葺く
などの用法があるが、ここでは「③吹く」を扱う。
カ行四段活用
未然形 | ふか |
連用形 | ふき |
終止形 | ふく |
連体形 | ふく |
已然形 | ふけ |
命令形 | ふけ |
■意味1:自動詞
風が起こる、風が吹く。
[出典]:
菅原道真
「東風
吹かば にほひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」
[訳]:(春になって)東の風が
吹いたならば、その香りを(私のもとまで)送っておくれ、梅の花よ。主人がいないからといって、(咲く)春を忘れてくれるなよ。
■意味2:他動詞
風が吹きつける。
[出典]:
大火とつじ風 方丈記
「中御門京極のほどより、大きなる辻風おこりて、六条わたりまで
吹けること侍りき。」
[訳]:中御門京極のあたりから、大きな辻風が怒って、六条の辺りまで
吹きつけたことがあった。
■意味3:他動詞
笛を鳴らす。
[出典]:
博雅の三位と鬼の笛 十訓抄
「直衣着たる男の、笛
吹きければ、誰ならむと思ふほどに...」
[訳]:直衣を着た男性が、笛を
吹いていたので、(博雅の三位は)誰だろうと思っていたのですが...
■意味4:他動詞
息を吐いて風を起こす。
■意味5:他動詞
息を吐いて金属を精錬する。