ふく/葺く
このテキストでは、カ行四段活用の動詞「
ふく/葺く」の意味、解説とその使用例を記している。
「ふく」には
①
更く/深く
②老く
③吹く
④葺く
などの用法があるが、ここでは「④葺く」を扱う。
カ行四段活用
未然形 | ふか |
連用形 | ふき |
終止形 | ふく |
連体形 | ふく |
已然形 | ふけ |
命令形 | ふけ |
■意味1:他動詞
(草木などを)
軒先に挿して飾る。
[出典]:
折節の 徒然草
「五月、あやめ
ふくころ、早苗取るころ、水鶏のたたくなど心細からぬかは。」
[訳]:五月、(端午の節句に)菖蒲(しようぶ)を家の
軒先に挿して飾るころ、早苗を取るころ、水鳥が(戸をたたくような音を)たてて鳴くころなどは、寂しくないことがあろうか、いや、寂しいものだ。
■意味2:他動詞
屋根を覆う。
[出典]:都遷り 方丈記
「殿に茅ふきても、軒をだに整へず...」
[訳]:宮殿の屋根を茅で覆っても、軒先さえ切りそろえないで...