原点Oから直線lまでの距離
原点Oから直線l:ax+by+c=0 に垂直に垂線を下ろしたとき、その垂線の長さを求めてみましょう。
まずは直線OHの傾きを求める
原点Oからの垂線と、直線lの交点の座標をH(p,q)とします。
このときOHとlとは垂直に交わっているので、OHの傾きとlの傾きとの積が-1になります。
このことを利用して解答をすすめてみましょう。
直線 ax+by+c=0 は変形すると

となりますので、傾きは

です。
また、OHの方程式を便宜的にy=mxとします。このとき
よって、

となりますのでOHは
と表すことができます。
フォーカスを点Hに
ここで点H(p,q)について考えてみましょう。点Hは2つの直線、OHとlとの交点であることからx=p、y=qをそれぞれの方程式に代入して
ap+bq+c=0 …①
aq-bp=0 …② が求まります。
■pについて整理
まず、pについて整理してみましょう。
①式は ap=-bq-c

…③
②式は bp=aq

…④
③と④の連立方程式を解いて

…⑤ となります。
qについて整理
①より

…⑥
②より

…⑦
⑥と⑦より

…⑧
△OAHを考える
次に、点Hからx軸に垂線を下ろし、その交点をAとします。
△OAHにおいて∠OAH=90°より、ピタゴラスの定理が使えます。
OA=p、AH=qより

となりますので、これに先ほどもとめた⑤と⑧を代入します。
OH>0より
これが、原点Oから直線l:ax+bx+c=0 の距離を求める公式です。