「つと」の意味・活用・使用例【副詞】
このテキストでは、古文単語「
つと」の意味、解説とその使用例を記している。
「つと」には
①副詞
②名詞「
苞/苴」
などの用法があるが、ここでは「①副詞としての用法」を扱う。
副詞
■意味1
じっと、そのまま、ぴたりと。
[出典]:大和物語
「かくてほかへもさらに行かで、つとゐにけり。」
[訳]:こうしてよそへも全く行かずに、そのまま(その女のところに)いたのでした。
■意味2
急に、すぐに、さっと。
[出典]:
はしたなきもの 枕草子
「あはれなることなど、人の言ひ出で、うち泣きなどするに、げにいとあはれなりなど聞きながら、涙の
つと出で来ぬ、いとはしたなし。」
[訳]:しみじみと心打たれることなどを、人が口に出して、声をあげて泣いたりなどする時に、本当にとても気の毒だと聞きながら、涙が
急に出てこないのは、とてもきまりが悪い。