はじめに
ここでは細胞をとりかこむ細胞膜の性質を学びましょう!
細胞膜の透過性
細胞膜は数ナノメートルの薄っぺらい膜なのですが、
透過性という性質を持っています。
簡単にいえば、膜に小さな穴がたくさんあいてて、色々なものが膜を出入りできるということです。
このような膜は核、ミトコンドリア、葉緑体、液胞、つまりすべての細胞内小器官に存在し、これらの膜をまとめて
生体膜と呼びます。つまり、細胞膜は生体膜の一種です。
さて、ここからは初めて聞く似た言葉がたくさん出てきますが、どれも落ち着いて読めば意味は簡単なので、しっかり区別して覚えましょう!
半透性と浸透
細胞膜は、
水や小さな物質は通すが、大きな物質は通さないという性質があります。まるでザルのようなものです!
これを
半透性と呼び、そのような膜を
半透膜と言います。
この膜を水や小さな物質が通っていくことを浸透と言います。(色が浸透する、みたいに日常会話でも使う言葉ですよね)
そして、半透膜の「向こうから水を引っ張ってくる力」を
浸透圧とよびます。細胞の外から中に水がひきこまれている場合は、細胞膜の中の方が浸透圧が高いということになります。逆に細胞の中から外に水が逃げて行っている場合は、細胞膜の外の方が浸透圧が高いということになります。
では、浸透圧の大きさはなにによって決まるのでしょう?それはずばり、「
濃度」によって決まるんです!濃度が高いほど浸透圧(向こうから水を引っ張ってくる力)は大きくなるんです。自分が濃すぎると、なんとか濃度を薄めようとして、水を欲しがるんですね・・・自分が塩分濃すぎで塩っ辛くなってるんで、水を向こうから奪うんです。
ところで、どんな細胞も、細胞の中には水溶液Aが存在し、細胞の外には水溶液Bが存在します。当然ですね。
そして、濃度が水溶液A>水溶液Bなら、細胞の中の方が浸透圧が高くなるから、水は外から中に引き込まれます。だから細胞は膨らみます。
このとき、細胞の外の水溶液Bを
低張液とよびます(浸透圧が「低」いから「低」張液、と覚えれば間違えない)。
逆に濃度が水溶液A<水溶液Bなら、細胞の外の方が浸透圧が高くなるから、水は中から外に逃げていきます。だから細胞はしぼみます。このとき、細胞の外の水溶液Bを
高張液とよびます(浸透圧が「高」いから「高」張液、と覚えれば間違えない)。
では、問題です。
水溶液Aと水溶液Bが同じ濃度だったらどうなるのでしょう?
水を向こうから引っ張ってくる力が引き分けになるので、水の移動はありません!つまり細胞の大きさも変わりません!このとき、細胞の外の水溶液Bを
等張液とよびます。
以上で基本は終わり!
重要なところなので、図を書いたりしてしっかり理解しよう。