「さやかなり/清かなり/明かなり/分明かなり」の意味・活用・使用例【形容動詞ナリ活用】
このテキストでは、ナリ活用の形容動詞「
さやかなり/清かなり/明かなり/分明かなり」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。
形容動詞・ナリ活用
未然形 | さやかなら | ◯ |
連用形 | さやかなり | さやかに |
終止形 | さやかなり | ◯ |
連体形 | さやかなる | ◯ |
已然形 | さやかなれ | ◯ |
命令形 | (さやかなれ) | ◯ |
■意味1
はっきりしている、曇りがない、明瞭だ。
[出典]:
春はあけぼの 枕草子
「秋来ぬと 目には
さやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる」
[訳]:(立秋の日になっても)秋が来たと、
はっきりと目にはみえないけれど、風の音で(秋の到来に)はっと気づきました。
■意味2
(音や光などが)
くっきりとしている、明るい、高く澄み切っている。
[出典]:帚木 源氏物語
「月は有り明けにて、光をさまれるものから、影さやかに見えて...」
[訳]:月は有明けの月(夜が明けても空に残っている月)で、光はなくなっているのに、(月の)影はくっきり見えて...