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古文単語「ひさし/久し」の意味・解説【形容詞シク活用】

著者名: 走るメロス
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「ひさし/久し」の意味・活用・使用例【シク活用の形容詞】

このテキストでは、シク活用の形容詞「ひさし/久し」の意味、活用、解説とその使用例を記している。



形容詞・シク活用

未然形ひさしくひさしから
連用形ひさしくひさしかり
終止形ひさし
連体形ひさしきひさしかる
已然形ひさしけれ
命令形ひさしかれ


意味1

長い時間が経っている

[出典]養和の飢饉 方丈記
「また養和のころとか、久しくなりて覚えず。」

[訳]:また養和の頃(時代)であったでしょうか、長い時間が経ったので覚えてはいません。


意味2

長い時間がかかる

[出典]にくきもの 枕草子
「例あるところにはなくて、ほかに尋ねありくほどいと待ち遠にひさしきに」

[訳]:普段いる所にはいなく、あちこち訪ねて歩きまわるその間、(早く見つからないかと)待ち遠しく時間がかかっていたところ...






意味3

久しぶりである

[出典]:磁石 狂言
「そなたは最前から『久しい、久しい』とおっしゃるが、身どもは知る人ではおりないぞや」

[訳]:あなたは最初から「久しぶりだ、久しぶりだ」とおっしゃいますが、私は知人ではありませんよ。


意味4

馴染み深い

[出典]:曽根崎心中 近松門左衛門
「亭主は久しい客のこと、善し悪しの返答なく...」

[訳]:亭主は馴染み深い客のことなので、いいとも悪いとも答えず...






備考

「久しい」は連体形「久しき」のイ音便。
「久しう」は連用形「久しく」のウ音便。
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ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse
全訳読解古語辞典 第四版 三省堂

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