はつ/果つ
このテキストでは、タ行下二段活用の動詞「
はつ/果つ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
タ行下二段活用
未然形 | はて |
連用形 | はて |
終止形 | はつ |
連体形 | はつる |
已然形 | はつれ |
命令形 | はてよ |
■意味1:自動詞
(時間や期限が)
終わる、尽きる、消える。
[出典]:
かぐや姫の昇天 竹取物語
「罪のかぎり
果てぬれば、かく迎ふるを、翁は泣き嘆く。」
[訳]:罪を償う期限が
終わったので、こうして呼び寄せるのを、翁は泣き悲しんでいる。
■意味2:自動詞
寿命が尽きる、亡くなる。
[出典]:薄雲 源氏物語
「灯し火などの消え入るやうにて果て給ひぬれば...」
[訳]:灯火などが消えるようにお亡くなりになったので...
■意味3:補助動詞
(動作が完了する意味を表し)
すっかり〜する、〜し終わる。
[出典]:
春はあけぼの 枕草子
「日入り
果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。 」
[訳]:
すっかり日が落ち
てから(聞こえてくる)、風の音や虫の鳴く音などは、言うまでもなく(すばらしい)。