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蜻蛉日記原文全集「五月のはじめの日になりぬれば、例の大夫」

著者名: 古典愛好家
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蜻蛉日記

五月のはじめの日になりぬれば、例の大夫

五月のはじめの日になりぬれば、例の大夫

うちとけてけふだにきかんほととぎす しのびもあへぬときはきにけり

かへりごと、

ほととぎすかくれなきねをきかせては かけはなれぬるみとやなるらん

五日、

ものおもふにとしへけりともあやめ草 けふをたびたびすぐしてぞしる

かへりごと、

つもりけるとしのあやめもおもほえず けふもすぎぬる心みゆれば

とぞある。

「いかにうらみたるにかあらん」


とぞ、あしがりける。
 
        

  
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・蜻蛉日記原文全集「五月のはじめの日になりぬれば、例の大夫」

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長谷川 政春,伊藤 博,今西 裕一郎,吉岡 曠 1989年「新日本古典文学大系 土佐日記 蜻蛉日記 紫式部日記 更級日記」岩波書店
The University of Virginia Library Electronic Text Center and the University of Pittsburgh East Asian Library http://etext.lib.virginia.edu/japanese/

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