テストに役立つ!「かぐや姫の嘆き」の品詞分解
このテキストでは、
竹取物語の一節「
かぐや姫の嘆き」(
かぐや姫のいはく、「月の都の人にて、父母あり〜)の品詞分解と敬語の向きを記しています。書籍によっては「
かぐや姫の昇天」と題するものもあるようです。 2回にわけて解説していますが、今回はその2回目です。
前回のテキスト
かぐや姫の嘆き(八月十五日ばかりの月に出でゐて、かぐや姫いといたく泣き給ふ〜)の品詞分解
現代語訳
竹取物語『かぐや姫の嘆き』わかりやすい現代語訳と解説
竹取物語とは
竹取物語は、平安時代初期に成立したとされる物語です。正確な成立年や作者は未詳です。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■かぐや姫のいはく、「月の都の人にて、父母あり。片時の間とて、かの国よりまうで来しかども、かくこの国にはあまたの年を経ぬるになむありける。
単語 | 品詞 | 敬意の向き |
かぐや姫 | ー | ー |
の | 格助詞 | ー |
いはく、 | ハ行四段活用「言ふ」のク語法 | ー |
「月 | ー | ー |
の | 格助詞 | ー |
都 | ー | ー |
の | 格助詞 | ー |
人 | ー | ー |
に | 断定の助動詞「なり」の連用形 | ー |
て、 | 接続助詞 | ー |
父母 | ー | ー |
あり。 | ラ行変格活用「あり」の終止形 | ー |
片時 | ー | ー |
の | 格助詞 | ー |
間 | ー | ー |
とて、 | 格助詞または、格助詞「と」+接続助詞「て」 | ー |
か | 代名詞 | ー |
の | 格助詞 | ー |
国 | ー | ー |
より | 格助詞 | ー |
まうで来 | 丁寧/謙譲・カ行変格活用「まうでく」の未然形 | かぐや姫→親ども |
しか | 過去の助動詞・已然形 | ー |
ども、 | 接続助詞 | ー |
かく | 副詞 | ー |
こ | 代名詞 | ー |
の | 格助詞 | ー |
国 | ー | ー |
に | 格助詞 | ー |
は | 係助詞 | ー |
あまた | 副詞 | ー |
の | 格助詞 | ー |
年 | ー | ー |
を | 格助詞 | ー |
経 | ハ行下二段活用「ふ」の連用形 | ー |
ぬる | 完了の助動詞「ぬ」の連体形 | ー |
に | 断定の助動詞「なり」の連用形 | ー |
なむ | 係助詞 | ー |
あり | ラ行変格活用「あり」の連用形 | ー |
ける。 | 過去の助動詞「けり」の連体形 | ー |
■かの国の父母のこともおぼえず、ここには、かく久しく遊び聞こえて、ならひ奉れり。いみじからむ心地もせず。
単語 | 品詞 | 敬意の向き |
か | 代名詞 | ー |
の | 格助詞 | ー |
国 | ー | ー |
の | 格助詞 | ー |
父母 | ー | ー |
の | 格助詞 | ー |
こと | ー | ー |
も | 係助詞 | ー |
おぼえ | ヤ行下二段活用「おぼゆ」の未然形 | ー |
ず、 | 打消の助動詞「ず」の連用形 | ー |
ここ | 代名詞 | ー |
に | 格助詞 | ー |
は、 | 係助詞 | ー |
かく | 副詞 | ー |
久しく | シク活用の形容詞「ひさし」の連用形 | ー |
遊び | バ行四段活用「あそぶ」の連用形 | ー |
聞こえ | 謙譲の補助動詞・ヤ行下二段活用「きこゆ」の連用形 | かぐや姫→親ども |
て、 | 接続助詞 | ー |
ならひ | ハ行四段活用「ならふ」の連用形 | ー |
奉れ | 謙譲の補助動詞・ラ行四段活用「たてまつる」の已然形 | かぐや姫→親ども |
り。 | 完了/存続の助動詞「り」の終止形 | ー |
いみじから | シク活用の形容詞「いみじ」の未然形 | ー |
む | 婉曲の助動詞「む」の連体形 | ー |
心地 | ー | ー |
も | 係助詞 | ー |
せ | サ行変格活用「す」の未然形 | ー |
ず。 | 打消の助動詞「ず」の終止形 | ー |
■悲しくのみある。されど、おのが心ならずまかりなむとする。」と言ひて、いみじう泣く。
単語 | 品詞 | 敬意の向き |
悲しく | シク活用の形容詞「かなし」の連用形 | ー |
のみ | 副助詞 | ー |
ある。 | ラ行変格活用「あり」の連体形 | ー |
されど、 | 接続詞 | ー |
おの | 代名詞 | ー |
が | 格助詞 | ー |
心 | ー | ー |
なら | 断定の助動詞「なり」の未然形 | ー |
ず | 打消の助動詞「ず」の連用形 | ー |
まかり | 謙譲・ラ行四段活用「まかる」の連用形 | かぐや姫→親ども |
な | 強意の助動詞「ぬ」の未然形 | ー |
む | 意志の助動詞「む」の終止形 | ー |
と | 格助詞 | ー |
する。」 | サ行変格活用「す」の連体形 | ー |
と | 格助詞 | ー |
言ひ | ハ行四段活用「いふ」の連用形 | ー |
て、 | 接続助詞 | ー |
もろともに | 副詞 | ー |
いみじう | シク活用の形容詞「いみじ」の連用形のウ音便 | ー |
泣く。 | カ行四段活用「なく」の終止形 | ー |
■使はるる人々も、年ごろならひて、たち別れなむことを、心ばへなどあてやかにうつくしかりつることを見ならひて、恋しからむことの堪へがたく、湯水飲まれず、同じ心に嘆かしがりけり。
単語 | 品詞 | 敬意の向き |
使は | ハ行四段活用「つかふ」の未然形 | ー |
るる | 受身の助動詞「る」の連体形 | ー |
人々 | ー | ー |
も、 | 係助詞 | ー |
年ごろ | ー | ー |
ならひ | ハ行四段活用「ならふ」の連用形 | ー |
て、 | 接続助詞 | ー |
たち別れ | ラ行下二段活用「たちわかる」の連用形 | ー |
な | 強意の助動詞「ぬ」の未然形 | ー |
む | 仮定の助動詞「む」の連体形 | ー |
こと | ー | ー |
を、 | 格助詞 | ー |
心ばへ | ー | ー |
など | 副助詞 | ー |
あてやかに | ナリ活用の形容動詞「あてやかなり」の連用形 | ー |
うつくしかり | シク活用の形容詞「うつくし」の連用形 | ー |
つる | 完了の助動詞「つ」の連体形 | ー |
こと | ー | ー |
を | 格助詞 | ー |
見ならひ | ハ行四段活用「みならふ」の連用形 | ー |
て、 | 接続助詞 | ー |
恋しから | シク活用の形容詞「こひし」の未然形 | ー |
む | 婉曲の助動詞「む」の連体形 | ー |
こと | ー | ー |
の | 格助詞 | ー |
堪へがたく、 | ク活用の形容詞「たえがたし」の連用形 | ー |
湯水 | ー | ー |
飲ま | マ行四段活用「のむ」の未然形 | ー |
れ | 可能の助動詞「る」の未然形 | ー |
ず、 | 打消の助動詞「ず」の未然形 | ー |
同じ | シク活用の形容詞「おなじ」の連体形 | ー |
心 | ー | ー |
に | 格助詞 | ー |
嘆かしがり | ラ行四段活用「なげかしがる」の連用形 | ー |
けり。 | 過去の助動詞「けり」の終止形 | ー |
※前回のテキスト:
かぐや姫の嘆き(八月十五日ばかりの月に出でゐて、かぐや姫いといたく泣き給ふ〜)の品詞分解
※現代語訳:
竹取物語『かぐや姫の嘆き』わかりやすい現代語訳と解説
関連テキスト
・竹取物語『
冒頭』(今は昔、竹取の翁といふもの〜)
・竹取物語『
蓬莱の玉の枝』(くらもちの皇子は〜)
・竹取物語『
火鼠の皮衣』(家の門に持て至りて立てり)
・竹取物語『
帝の求婚』(帝、にはかに日を定めて~)
・竹取物語『
かぐや姫の嘆き』(八月十五日ばかりの月に出でゐて、~)
・竹取物語『
かぐや姫の昇天』(かかるほどに、宵うち過ぎて、〜)
・竹取物語『
かぐや姫の昇天』(立てる人どもは~)
・竹取物語『
かぐや姫の昇天』(竹取、心惑ひて~)
・竹取物語『
かぐや姫の昇天』(天人の中に持たせたる箱~)
著者情報:走るメロスはこんな人
学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。