論語『子貢問曰、有一言而可以終身行之者乎』
このテキストでは、
論語の一節『
子貢問曰、有一言而可以終身行之者乎』で始まる文の原文(白文)、書き下し文、現代語訳(口語訳)とその解説を記しています。
白文(原文)と書き下し文
子貢問曰、
子貢問ひて曰はく、
「有一言而可以終身行之者乎。」
「一言にして以つて終身之を行ふべき者有りや。」と。
子曰、
子曰はく、
「其恕乎。己所不欲、勿施於人。」
「其れ恕か。己の欲せざる所、人に施すこと勿かれ。」と。
現代語訳(口語訳)
子貢問ひて曰はく、
子貢が質問して言うことには、
「一言にして以つて終身之を行ふべき者有りや。」と。
「一言、生涯貫き通すべき言葉はありますか。」と。
子曰はく、
孔子先生がおっしゃることには、
「其れ恕か。己の欲せざる所、人に施すこと勿かれ。」と。
「それは恕(思いやりの心)であろうか。自分がしてほしくないことは、他人にもしてはならない。」と。
単語解説
終身 | 生涯 |
恕 | 人の立場や心情を察する心。思いやりの心 |
勿施於人 | 「勿」は禁止を表す言葉。「於」は置き字 |