イエメンとは
イエメンはアラビア半島の南西端に位置し、豊かな歴史と文化を持つ国・地域です。
地理
イエメンは北側でサウジアラビア、東側でオマーンと接し、西は紅海、南はアデン湾に面しています。面積は約527,970平方キロメートルで、首都はサナアです。地形は非常に多様で、山岳地帯、砂漠、沿岸平野が広がっています。特に西部には標高3,000メートルを超える山々が連なり、これらの地域は比較的湿潤で農業が盛んです。
歴史
イエメンの歴史は古代にさかのぼり、紀元前8世紀頃にはサバア王国が成立し、香料貿易で栄えました。サバア王国はインド洋から地中海に至る交易路の重要な中継地として機能しました。その後、ヒムヤル王国やハドラマウト王国などが興隆し、イエメンは「幸福のアラビア」として知られるようになりました。
7世紀にはイスラーム教がイエメンに伝わり、イスラーム帝国の一部となりました。16世紀以降、オスマン帝国の支配下に入ると、引き続き重要な交易拠点として栄えました。20世紀には北イエメンと南イエメンがそれぞれ独立し、1990年に統一されて現在のイエメン共和国が成立しました。
文化
イエメンの文化は、長い歴史と多様な影響を受けて形成されています。建築様式は特にサナアの旧市街に見られる独特の泥レンガ造りの高層建物が特徴です。また、音楽や舞踊も豊かで、伝統的な楽器やリズムが用いられています。
食文化も多様で、スパイスを多く使った料理が特徴です。代表的な料理にはサモサやマンダイ(スパイスを効かせた米料理)があります。
経済
イエメンの経済は主に農業と漁業に依存しています。主要な農産物にはコーヒー、果物、野菜があり、特にイエメン産のコーヒーは高品質で知られています。また、石油資源も豊富で、経済の重要な柱となっています。