「異心ありてかかるにやあらむと思ひ疑ひて」の現代語訳・口語訳・意味・品詞分解
原文
男、
異心ありて
かかるにやあらむと思ひ疑ひて、
前栽の中に
隠れゐて、河内へ
いぬる顔にて
見れば...
現代語訳・口語訳・意味
男は、(他の男を思う)
浮気心があってこのようなのであろうかと疑わしく思って、庭の植え込みの中に隠れて座って、河内へと行ってしまったふりをして見ていると...
品詞分解
| 単語 | 品詞 |
| 異心 | 名詞 |
| あり | ラ行変格活用「あり」の連用形 |
| て | 接続助詞 |
| かかる | ラ行変格活用「かかり」の連体形または連体詞 |
| に | 断定の助動詞「なり」の連用形 |
| や | 疑問の係助詞 |
| あら | ラ行変格活用「あり」の未然形 |
| む | 推量の助動詞「む」の連体形 |
| と | 格助詞 |
| 思ひ疑ひ | ハ行四段活用「おもひうたがふ」の連用形 |
| て、 | 接続助詞 |
主な出典
【伊勢物語『筒井筒』】
さりけれど、このもとの女、悪しと思へる気色もなくて、いだしやりければ、男、異心ありてかかるにやあらむと思ひ疑ひて、前栽の中に隠れゐて、河内へいぬる顔にて見れば、この女、いとよう化粧じて、うちながめて、「風吹けば 沖つ白波 たつた山 夜半にや君が ひとり越ゆらむ」と詠みけるを聞きて、かぎりなくかなしと思ひて、河内へも行かずなりにけり。