「いみじく心もとなきままに」の現代語訳・口語訳・意味・品詞分解
原文
いみじく心もとなきままに、等身に薬師仏を造りて、手洗ひなどして、
ひとまに
みそかに入りつつ...
現代語訳・口語訳・意味
とてもじれったいので、(自分と)等身大の薬師仏を作って、手を洗い清めるなどして、人目のないときにひそかに(その薬師仏をおいた部屋に)入っては...
品詞分解
| いみじく | シク活用の形容詞「いみじ」の連用形 |
| 心もとなき | ク活用の形容詞「こころもとなし」の連体形 |
| まま | 名詞 |
| に、 | 格助詞 |
主な出典
【更級日記「門出・あこがれ」】
いみじく心もとなきままに、等身に薬師仏を造りて、手洗ひなどして、ひとまにみそかに入りつつ、「京にとく上げたまひて、物語の多く候ふなる、ある限り見せたまへ。」と、身を捨てて額をつき、祈りまうすほどに、十三になる年、上らむとて、九月三日門出して、いまたちといふ所に移る。