うちかく/打ち掛く/打ち懸く
このテキストでは、カ行下二段活用の動詞「
うちかく/打ち掛く/打ち懸く」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
カ行下二段活用
未然形 | うちかけ |
連用形 | うちかけ |
終止形 | うちかく |
連体形 | うちかくる |
已然形 | うちかくれ |
命令形 | うちかけよ |
■意味1:他動詞
ひっかける、ちょっとかける。
[出典]:
これも仁和寺の法師 徒然草
「響きて堪へがたかりければ、かなはで、すべきやうなくて、三つ足なる角の上に帷子を
うちかけて、手を引き杖をつかせて、京なる医師のがり、率て行きける道すがら、人のあやしみ見ること限りなし。」
[訳]:(足鼎をたたいたときの音が頭に)響いて我慢できなかったので、(打ち割ることが)できず、手の施しようがないので、(足鼎の)3つの足の上に帷子を
かけて、手を引き杖をつかせて、都の医者のもとへ、連れて行った道中ずっと、人が不思議に見ることこの上ない。
■意味2:自動詞
(水などが)
強くかかる。
[出典]:竜の頸の玉 竹取物語
「浪は打ち掛けつつ巻き入れ...」
[訳]:波は強くかかっては(海の中に)巻き込み(そうになり)...