かいつく/掻い付く
このテキストでは、カ行四段活用の動詞「
かいつく/掻い付く」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
※「かいつく」は「
かきつく」のイ音便。
「かいつく」には
①カ行四段活用
②カ行下二段活用
の用法がある。
①カ行四段活用
未然形 | かいつか |
連用形 | かいつき |
終止形 | かいつく |
連体形 | かいつく |
已然形 | かいつけ |
命令形 | かいつけ |
■意味:自動詞
しがみつく、抱きつく。
[出典]:
うつくしきもの 枕草子
「をかしげなるちごの、あからさまにいだきて遊ばしうつくしむほどに、
かいつきて寝たる、いとらうたし。 」
[訳]:かわいらしい様子の子どもが、ほんのちょっと抱いて遊ばせかわいがっているうちに、
しがみついて寝たのは、とてもかわいらしい。
②カ行下二段活用
未然形 | かいつけ |
連用形 | かいつけ |
終止形 | かいつく |
連体形 | かいつくる |
已然形 | かいつくれ |
命令形 | かいつけよ |
■意味:自動詞
付ける。
[出典]:常夏 源氏物語
「紅といふもの、いと赤らかにかいつけて、髪けづりつくろひたまへる...」
[訳]:口紅というものを、たいそう赤くつけて、髪をとかし化粧をなさる...