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古文単語「かなふ/叶ふ/適ふ」の意味・解説【ハ行四段活用・ハ行下二段活用】

著者名: 走るメロス
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かなふ/叶ふ/適ふ

このテキストでは、古文単語「かなふ/叶ふ/適ふ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

①ハ行四段活用と②ハ行下二段活用がある。
①ハ行四段活用

未然形かなは
連用形かなひ
終止形かなふ
連体形かなふ
已然形かなへ
命令形かなへ


意味1:自動詞

適合する、合致する

[出典]高名の木登り 徒然草
「あやしき下臈なれども、聖人の戒めにかなへり。」

[訳]:(この木登り名人は)身分の低い下人であるけれども、(言っていることは)徳の高い人の戒めと合致しています。


意味2:自動詞

思い通りになる、望みが現実になる

[出典]今日はそのことをなさんと思へど 徒然草
「頼みたる方の事は違ひて、思ひ寄らぬ道ばかりはかなひぬ。」

[訳]:あてにする方面のことは(期待と)食い違い、考えが及ばない方面のことだけが思い通りになる




意味3:自動詞

できる

※この用法の場合、打消の語を伴って「〜できない」となる場合が多い。
[出典]これも仁和寺の法師 徒然草
「とかくすれば、首のまはり欠けて、血垂り、ただ腫れに腫れみちて、息もつまりければ、打ち割らむとすれど、たやすく割れず。響きて堪へがたかりければ、かなはで、すべきやうなくて...」

[訳]:(抜こうと)あれこれとすると、首の周りは傷ついて、血が垂れ、ひたすら腫れに腫れ、息も詰まってきたので、(足鼎を)たたき割ろうとするのだが、簡単には割れない。(足鼎をたたいたときの音が頭に)響いて我慢できなかったので、(打ち割ることが)できず、手の施しようがないので...


意味4:自動詞

匹敵する、対等に戦える

※※この用法の場合、打消の語を伴って「対等に戦えない」となる場合が多い。
[出典]能登殿最期 平家物語
「判官の船に乗り当たつて、あはやと目をかけて飛んでかかるに、判官かなはじとや思はれけん...」

[訳]:義経の船に乗り当たって、それっと目をつけて飛びかかると、義経は対等に戦えないとお思いになったのでしょうか...


意味5:自動詞

それでよい、それで済む

[出典]:身死して 徒然草
「朝夕なくてかなはざらん物こそあらめ、その外は何も持たでぞあらまほしき。」

[訳]:朝夕なくてはそれで済まないものはよいが、それ以外は何も持たないでいたいものだ。




②ハ行下二段活用

未然形かなへ
連用形かなへ
終止形かなふ
連体形かなふる
已然形かなふれ
命令形かなへよ


意味:他動詞

願いをかなえる、望みを成就させる

[出典]:明石 源氏物語
「『思ふ心をかなへむ』、と仏神をいよいよ念じたてまつる。」

[訳]:「望みをかなえよう」と、神仏をますますお祈り申し上げる。

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ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse
全訳読解古語辞典 第四版 三省堂

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