まばゆし/目映し/眩し
このテキストでは、ク活用の形容詞「
まばゆし/目映し/眩し」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。
形容詞・ク活用
未然形 | まばゆく | まばゆから |
連用形 | まばゆく | まばゆかり |
終止形 | まばゆし | ◯ |
連体形 | まばゆき | まばゆかる |
已然形 | まばゆけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | まばゆかれ |
■意味1
まぶしい。
[出典]:
花山院 大鏡
「さやけき影を、
まばゆく思し召しつるほどに、月の顔にむら雲のかかりて、少し暗がりゆきければ...」
[訳]:明るくてはっきりしている月の光を
まぶしくお思いになっている間に、月にむら雲がかかって、少し暗くなったので...
■意味2
まぶしいほど立派である、まぶしいほど美しい。
[出典]:葵 源氏物語
「いとまばゆきまでねびゆく人の容貌かな。」
[訳]:本当にまぶしいほど美しいほどに成長していく人(源氏)のお姿だなあ。
■意味3
きまりが悪い、恥ずかしい、照れくさい。
[出典]:
宮に初めて参りたるころ 枕草子
「高坏に参らせたる大殿油なれば、髪の筋なども、なかなか昼よりも顕証に見えて
まばゆけれど、念じて見などす。」
[訳]:高坏にお灯しして差し上げさせた火なので、(私の)髪の筋などが、かえって昼(間の時間帯)よりも際立って見えて
恥ずかしいのですが、(気恥ずかしいのを)我慢して(中宮様の出した絵を)拝見したりします。
■意味4
度が過ぎて見ていられない。
[出典]:
桐壷 源氏物語
「上達部、上人なども、あいなく目をそばめつつ、いと
まばゆき人の御おぼえなり。」
[訳]:上達部や殿上人たちも、(そのご様子を)感心しないことだと思って目をそむけており、とても
見ていられないほどのご寵愛ぶりです。