「こふ/恋ふ」の意味・活用・使用例【ハ行上二段活用】
このテキストでは、ハ行上二段活用の動詞「
こふ/恋ふ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
「こふ」には
①
乞ふ/請ふ(ハ行四段活用)
②恋ふ(ハ行上二段活用)
などの用法があるが、ここでは「②恋ふ」を扱う。
ハ行上二段活用
未然形 | こひ |
連用形 | こひ |
終止形 | こふ |
連体形 | こふる |
已然形 | こふれ |
命令形 | こひよ |
■意味1:自動詞
(異性を)
慕う。
[作者]:
筒井筒 伊勢物語
「君来むと言ひし夜ごとに過ぎぬれば頼まぬものの
恋ひつつぞ経る 」
[訳]:あなたが来ようと言った夜ごとに、(むなしく時間が)過ぎてしまったので、(もう)あてにはしていませんが、(やはりあなたを)
慕いながら過ごしています。
■意味2:自動詞
(物や場所・過去を)
なつかしく思う。
[作者]:
月やあらぬ 伊勢物語
「またの年の正月に、梅の花盛りに、去年を
恋ひて...」
[訳]:次の年の正月に、梅の花が満開になる頃ですが、(男性は)去年のことを
なつかしく思って...