「わする/忘る」の意味・活用・使用例【ラ行四段活用・ラ行下二段活用】
このテキストでは、古文単語「
わする/忘る」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
※「わする」には、
①ラ行四段活用
②ラ行下二段活用
の用法がある。
①ラ行四段活用
未然形 | わすら |
連用形 | わすり |
終止形 | わする |
連体形 | わする |
已然形 | わすれ |
命令形 | わすれ |
■意味1:他動詞
意図的に忘れる、記憶から消す、思わないようにする。
[出典]:
伊勢物語
「目離るとも 思ほえなくに
忘らるる 時しなければ おもかげに立つ」
[訳]:(あなたとは)疎遠でいるとは思えません。忘れるときがありません。(あなたが)幻に現れるので。
②ラ行下二段活用
未然形 | わすれ |
連用形 | わすれ |
終止形 | わする |
連体形 | わするる |
已然形 | わするれ |
命令形 | わすれよ |
■意味:他動詞
記憶から消える、つい忘れる。
[出典]:
百人一首
「
忘れじの ゆく末までは 難ければ 今日を限りの 命ともがな」
[訳]:(あなたのことを)「
忘れない」という(言葉が先々変わらずにある)ことは難しいので、(あなたにお逢いできた)今日限りの命であってほしいものです。