源氏物語『光源氏の誕生・光る君誕生』の品詞分解
このテキストでは、
源氏物語「
桐壷」の章の一節『
光源氏の誕生』(
前の世にも御契りや深かりけむ〜)の品詞分解を記しています。書籍によっては『
光る君誕生』と題するものもあるようです。
前回のテキスト
源氏物語「いづれの御時にか〜」の品詞分解
現代語訳
源氏物語『桐壷・光源氏の誕生(前の世にも御契りや〜)』の現代語訳・解説
源氏物語とは
源氏物語は平安中期に成立した長編小説です。一条天皇中宮の藤原彰子に仕えた
紫式部が作者とするのが通説です。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■前の世にも御契りや深かりけむ、世になく清らなる玉の男御子さへ生まれ給ひぬ。
前 | ー |
の | 格助詞 |
世 | ー |
に | 格助詞 |
も | 係助詞 |
御契り | ー |
や | 係助詞 |
深かり | 形容詞・ク活用・連用形 |
けむ、 | 過去原因推量の助動詞・連体形 |
世 | ー |
に | 格助詞 |
なく | 形容詞・ク活用・連用形 |
清らなる | 形容動詞・ナリ活用・連体形 |
玉 | ー |
の | 格助詞 |
男御子 | ー |
さへ | 副助詞 |
生まれ | ラ行下二段活用・連用形 |
給ひ | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・連用形 |
ぬ。 | 完了の助動詞・終止形 |
■いつしかと心もとながらせ給ひて、急ぎ参らせて御覧ずるに、めづらかなる稚児の御容貌なり。
いつしか | 副詞 |
と | 格助詞 |
心もとながら | ラ行四段活用・未然形 |
せ | 尊敬の助動詞・連用形 |
給ひ | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
急ぎ | ガ行四段活用・連用形 |
参ら | ラ行四段活用・未然形 |
せ | 使役の助動詞・連用形 |
て | 接続助詞 |
御覧ずる | サ行変格活用・連体形 |
に、 | 接続助詞 |
めづらかなる | 形容動詞・ナリ活用・連体形 |
児 | ー |
の | 格助詞 |
御容貌 | ー |
なり。 | 断定の助動詞・終止形 |
■一の皇子は、右大臣の女御の御腹にて、寄せ重く、疑ひなき儲の君と、世にもてかしづき聞こゆれど、この御にほひには並び給ふべくもあらざりければ、
一の皇子 | ー |
は、 | 係助詞 |
右大臣 | ー |
の | 格助詞 |
女御 | ー |
の | 格助詞 |
御腹 | ー |
に | 断定の助動詞・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
寄せ | ー |
重く、 | 形容詞・ク活用・連用形 |
疑ひ | ー |
なき | 形容詞・ク活用・連体形 |
儲の君 | ー |
と、 | 格助詞 |
世 | ー |
に | 格助詞 |
もてかしづき | カ行四段活用・連用形 |
聞こゆれ | ヤ行下二段活用・已然形 |
ど、 | 接続助詞 |
こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
御にほひ | ー |
に | 格助詞 |
は | 係助詞 |
並び | バ行四段活用・連用形 |
給ふ | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・終止形 |
べく | 可能の助動詞・連用形 |
も | 係助詞 |
あら | 補助動詞・ラ行変格活用・未然形 |
ざり | 打消の助動詞・連用形 |
けれ | 過去の助動詞・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
■おほかたのやむごとなき御思ひにて、この君をば、私物に思ほしかしづき給ふこと限りなし。
おほかた | ー |
の | 格助詞 |
やむごとなき | 形容詞・ク活用・連体形 |
御思ひ | ー |
に | 断定の助動詞・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
君 | ー |
を | 格助詞 |
ば、 | 係助詞 |
私物 | ー |
に | 格助詞 |
思ほし | サ行四段活用・連用形 |
かしづき | カ行四段活用・連用形 |
給ふ | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・連体形 |
こと | ー |
限りなし。 | 形容詞・ク活用・終止形 |