指数関数を含んだ不等式
ここでは、指数関数を含んだ不等式を解く前にまず知っておくべきことについて説明していきます。解き方は
指数関数を含んだ方程式と似ているのですが、これから紹介する性質が、方程式のそれとは異なります。
指数関数を含んだ不等式の性質
a>0、a≠1のとき
について考える。
①:a>1なら
x>n
②:a<1なら
x<n
不等式を解くためには必ず知っていなければならない性質ですが、なぜこうなるのかについて解説していきます。
①:a>1ならx>n
まずわかりやすくするために、具体的な数式
について考えてみましょう。
指数関数を含んだ方程式と同じように考えるならば、「底が同じなので、"x>2"とできるかな?」と思われる方もいるかもしれません。それを確認してみます。
として指数関数のグラフをかいてみます。
このグラフは底が"2"と、1よりも大きいので、
xの値が大きくなればyの値も大きくなる性質をもっています。このグラフのy座標が"2²"よりも大きくなる範囲をみてみましょう。
このグラフのy座標が"2²"よりも大きくなるのは、赤線をひいてある箇所のときです。このときのxの範囲をみてみると、"
x>2"が答えだとわかります。底が1よりも大きいときは、
指数関数を含んだ方程式と同じ感覚で解くことができます。
②:a<1ならx<n
一方で底が1よりも小さい場合はどうでしょう。こちらもわかりやすくするために、具体的な数式
について考えてみましょう。まずは先ほどと同じように
としてグラフをかいてみます。
底が1よりも小さいときの指数関数は、図のような曲線を描きます。
このグラフは底が"1/2"と、1よりも小さいので、
xの値が大きくなればyの値は小さくなる性質をもっています。このグラフのy座標が"(1/2)²"よりも大きくなる範囲をみてみましょう。
このグラフのy座標が"(1/2)²"よりも大きくなるのは、赤線をひいてある箇所のときです。このときのxの範囲をみてみると、"
x<2"が答えだとわかります。
底が1よりも小さいときは、不等号の向きに注意が必要です。
以上説明してきたことは、指数関数を含んだ不等式を解くために必要な知識なので、絶対にマスターするようにしましょう。