条件付きの等式の証明
ここでは、
条件付きの等式の証明についてみていきます。「等式の証明」がうまく理解できていない人は、先に「
わかりやすい等式の証明[恒等式]」を見ておくとよいでしょう。
x+y+z=0のとき、次の等式を証明しなさい。
xy(x+y)=−xyz
等式を証明するには、次の3パターンのいずれかを使うんでしたね。
1:Aを変形させてBとなるか、またはBを変形させてAとなるかを確認する
2:Aを変形させたものと、Bを変形させたものが等しいかを確認する
3:"A−B=0"、または"B−A=0"となるかを確認する
そして今回のように、"x+y+z=0のとき"と条件が与えられている場合には、
与えられた条件をヒントに証明ができないかを考えます。
証明
"x+y+z=0"なのでこれを変形して、"
z=−(x+y)"としておきましょう。これを与えられた式に代入して、証明がうまくいくかをやってみましょう。
■1の方法で証明
まずは1の方法で証明をします。
右辺"−xyz"を変形して、左辺"xy(x+y)"となるかを確認します。
先ほど、与えられた条件を変形して求めた、"z=−(x+y)"を右辺に代入します。
−xyz=−xy×{−(x+y)}=xy(x+y)=左辺
以上から、左辺=右辺なので、この等式が成り立つことが証明されました。
■2の方法で証明
続いて2の方法で証明をしてみましょう。
左辺"xy(x+y)"と右辺"−xyz"をそれぞれ変形します。
○左辺
xy(x+y)=x²y+xy²
○右辺
与えられた条件を変形して求めた、"z=−(x+y)"を代入します。
−xyz=−xy×{−(x+y)}=xy(x+y)=x²y+xy²
以上から、左辺=右辺なので、この等式が成り立つことが証明されました。
■3の方法で証明
最後に3の方法で証明をしてみましょう。
"左辺−右辺=0"となるかを確認します。
xy(x+y)−(−xyz)=x²y+xy²+xyz
与えられた条件を変形して求めた、"z=−(x+y)"を代入します。
x²y+xy²+xyz
=x²y+xy²−xy(x+y)
=x²y+xy²−x²y−xy²
=0
左辺−右辺=0なので、この等式が成り立つことが証明されました。
まとめ
条件付きの等式の証明でも、等式の照明方法は同じです。3通りの証明方法がありますが、自分の得意な形を選ぶか、問題をみて、一番簡単に証明ができる方法を選択するのが良いでしょう。