(x+y+z)ⁿの展開
二項定理を応用して、(x+y+z)ⁿの展開を行ってみましょう。
3つの項の式の展開ができれば、4つの項、5つの項の式の展開も容易くなりますので、しっかりとマスターしておきたいところです。まずは1題、一緒に解きながら説明していきます。
問題
(x+y+z)⁵の展開式におけるxy³zの係数を求めてみましょう。
(x+y+z)⁵をばらすと
(x+y+z)⁵=(x+y+z)(x+y+z)(x+y+z)(x+y+z)(x+y+z)
二項定理の解説で説明した通り、(x+y+z)⁵とは(x+y+z)を5回かける中でx、y、zの組み合わせを考えることでした。
xy³zは、(x+y+z)を5回かける中でxを1回、yを3回、zを1回とる組み合わせとなります。
ではxy³zとなる組み合わせは何個あるかを考えていきます。この組み合わせの数が係数の値と等しくなるんでしたね。
(x+y+z)が5つある中からxを1つだけ選ぶ組み合わせは、₅C₁通りあります。よって"₅C₁x"
xを選んだあと、残りの4つの(x+y+z)の中からyを3つ選ぶ組み合わせは、₄C₃通りあります。よって"₄C₃y³"
xとyを選んだあと、残り1つの(x+y+z)の中からzを1つ選ぶ組み合わせは、₁C₁通りあります。よって"₁C₁z"
これらを掛け合わせることで、xy³zの係数が求まります。
₅C₁x・₄C₃y³・₁C₁z=20xy³z
今まで解いてきた二項定理とは解き方が異なるので最初は戸惑いを感じるかもしれませんが、問題をいくつ解いていくうちに自然と身に付くはずです。それでは早速、練習問題を解いてみましょう。