伊勢物語『東下り・すみだ河』
このテキストでは、
伊勢物語の一節「
東下り」の「
なほ行き行きて、武蔵の国と下総の国との中に、いと大きなる河あり〜」から始まる部分の品詞分解を記しています。
※現代語訳はこちら:
「なほ行き行きて、武蔵の国と下総の国との仲に、いと大きなる河あり〜」の現代語訳
※冒頭・三河編:
「昔、男ありけり〜」の品詞分解
※駿河編:
「行き行きて、駿河の国にいたりぬ〜」の品詞分解
※
伊勢物語は平安時代初期に書かれた歌物語です。作者は未詳ですが、
在原業平がモデルではないかと言われています。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■なほ行き行きて、武蔵の国と下総の国との中に、いと大きなる河あり。それをすみだ河といふ。
なほ | 副詞 |
行き | カ行四段活用・連用形 |
行き | カ行四段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
武蔵の国 | ー |
と | 格助詞 |
下総の国 | ー |
と | 格助詞 |
の | 格助詞 |
中 | ー |
に、 | 格助詞 |
いと | 副詞 |
大きなる | 形容動詞・ナリ活用・連体形 |
河 | ー |
あり。 | ラ行変格活用・終止形 |
それ | 代名詞 |
を | 格助詞 |
すみだ河 | ー |
と | 格助詞 |
いふ。 | ハ行四段活用・終止形 |
■その河のほとりにむれゐて、思ひやればかぎりなく遠くも来にけるかなと、わびあへるに、渡守、「はや舟に乗れ。日も暮れぬ。」といふに、乗りて渡らむとするに、皆人ものわびしくて、京に、思ふ人なきにしもあらず。
そ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
河 | ー |
の | 格助詞 |
ほとり | ー |
に | 格助詞 |
むれゐ | ワ行上一段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
「思ひやれ | ラ行四段活用・已然形 |
ば | 接続助詞 |
かぎりなく | 形容詞・ク活用・連用形 |
遠く | 形容詞・ク活用・連用形 |
も | 係助詞 |
来 | カ行変格活用・連用形 |
に | 完了の助動詞・連用形 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
かな。」 | 詠嘆の終助詞 |
と、 | 格助詞 |
わび | バ行上二段活用・連用形 |
あへ | ハ行四段活用・已然形または命令形 |
る | 存続の助動詞・連体形 |
に、 | 接続助詞 |
渡し守、 | ー |
「はや | 副詞 |
舟 | ー |
に | 格助詞 |
乗れ。 | ラ行四段活用・命令形 |
日 | ー |
も | 係助詞 |
暮れ | ラ行下二段活用・連用形 |
ぬ。」 | 強意の助動詞・終止形 |
と | 格助詞 |
いふ | ハ行四段活用・連体形 |
に、 | 接続助詞 |
乗り | ラ行四段活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
渡ら | ラ行四段活用・未然形 |
む | 意志の助動詞・終止形 |
と | 格助詞 |
する | サ行変格活用・連体形 |
に、 | 接続助詞 |
みな人 | ー |
ものわびしく | 形容詞・シク活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
京 | ー |
に、 | 格助詞 |
思ふ | ハ行四段活用・連体形 |
人 | ー |
なき | 形容詞・ク活用・連体形 |
に | 断定の助動詞・連用形 |
しも | 副助詞 |
あら | ラ行変格活用・未然形 |
ず。 | 打消の助動詞・終止形 |
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