はじめに
ここでは中国の軍人であった高駢の詠んだ、「山亭夏日」の書き下し文と現代語訳をしています。暑い夏の日に涼しさを求める情景が目に浮かんでくるような、そんな句です。
漢文(白文)
左から右に読んでください。
緑 樹 陰 濃 夏 日 長、
楼 台 倒 影 入 池 塘。
水 精 簾 動 微 風 起、
満 架 薔 薇 一 院 香。
書き下し文
綠樹陰、濃(こまや)かにして夏日長し
楼台影、倒(さかしま)にして池塘に入る
水精の簾、動いて微風起こり
満架の薔薇(しょうび)、一院香し
現代語訳(口語訳)
緑に生い茂る木々は地面に濃い影を落としており、夏の日は長い。
建物の影が池の水にさかさまに映って見える。
水晶でできたすだれが動いてかすかな風がおこり
棚いっぱいのバラの香が、建物いったいに香っている
単語