「そこにいたづらになりにけり」の現代語訳・口語訳・意味・品詞分解
原文
「
あひ思はで離れぬる人をとどめかねわが身は今ぞ消え果てぬめる」と書きて、そこに
いたづらになりにけり。
現代語訳・口語訳・意味
「(私はあなたのことを思っているのに)互いに思いが通わずに離れてしまった人を引き止めることもできなくて、私の身は今、死んでしまいそうです」と書いて、
そこに死んでしまった。。
品詞分解
| 単語 | 品詞 |
| そこ | 代名詞 |
| に | 格助詞 |
| いたづらに | ナリ活用の形容動詞「いたづらになり」の連用形 |
| なり | ラ行四段活用「なる」の連用形 |
| に | 完了の助動詞「ぬ」の連用形 |
| けり。 | 過去の助動詞「けり」の終止形 |
主な出典
【伊勢物語『梓弓』】
女、いとかなしくて、後に立ちて追ひ行けど、え追ひつかで、清水のある所に伏しにけり。そこなりける岩に、指の血して書きつけける。「あひ思はで離れぬる人をとどめかねわが身は今ぞ消え果てぬめる」と書きて、そこにいたづらになりにけり。