かる/離る
このテキストでは、ラ行下二段活用の動詞「
かる/離る」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
「かる」には、
①離る
②狩る/猟る
③借る
④駆る/駈る
⑤枯る/乾る
などの用法があるが、ここでは「①離る」を扱う。
ラ行下二段活用
未然形 | かれ |
連用形 | かれ |
終止形 | かる |
連体形 | かるる |
已然形 | かるれ |
命令形 | かれよ |
■意味:自動詞
(空間的に)
離れる、遠ざかる。
(時間的に)
離れる、間があく、隔たる、途絶える。
(心理的に)
離れる、疎遠になる、よそよそしくなる。
[出典]:
梓弓 伊勢物語
「あひ思はで
離れぬる人をとどめかねわが身は今ぞ消え果てぬめる」
[訳]:(私はあなたのことを思っているのに)互いに思いが通わずに
離れてしまった人を引き止めることもできなくて、私の身は今、死んでしまいそうです
[出典]:
古今和歌集/百人一首
「山里は冬ぞさびしさまさりける人目も草も
かれぬと思へば」
[訳]:山里は(つねに寂しいものだが、)とりわけ冬が寂しさが強く感じられる。人の訪れが
途絶え、草も枯れてしまうと思うと。