「ただ今、おのれ見捨て奉らば、いかで世におはせむとすらむ」の現代語訳・口語訳・意味・品詞分解
原文
ただ今、おのれ
見捨て奉らば、
いかで世に
おはせむとすらむ。
現代語訳・口語訳・意味
たった今私が(あなたを)後に残して死に申し上げたならば、どのようにして世の中に(生きて)いらっしゃるというのでしょう。
品詞分解
| 単語 | 品詞 | 敬意の向き |
| ただ今、 | 副詞 | ー |
| おのれ | 代名詞 | ー |
| 見捨て | タ行下二段活用「みすつ」の連用形 | ー |
| 奉ら | 謙譲の補助動詞・ラ行四段活用「たてまつる」の未然形 | 尼君→姫君 |
| ば、 | 接続助詞 | ー |
| いかで | 副詞 | ー |
| 世 | ー | ー |
| に | 格助詞 | ー |
| おはせ | サ行変格活用「おはす」の未然形 | ー |
| む | 意志の助動詞「む」の終止形 | ー |
| と | 格助詞 | ー |
| す | サ行変格活用「す」の終止形 | ー |
| らむ。 | 現在推量の助動詞「らむ」連体形 | ー |
主な出典
【源氏物語「若紫・北山の垣間見」】
尼君、髪をかきなでつつ、「けづることをうるさがり給へど、をかしの御髪や。いとはかなうものし給ふこそ、あはれにうしろめたけれ。かばかりになれば、いとかからぬ人もあるものを。故姫君は、十ばかりにて殿に後れ給ひしほど、いみじうものは思ひ知り給へりしぞかし。ただ今、おのれ見捨て奉らば、いかで世におはせむとすらむ。」とて、いみじく泣くを見給ふも、すずろに悲し。