「故姫君は、十ばかりにて殿に後れ給ひしほど、いみじうものは思ひ知り給へりしぞかし」の現代語訳・口語訳・意味・品詞分解
原文
故姫君は、十
ばかりにて殿に
後れ給ひしほど、
いみじうものは
思ひ知り給へりしぞかし。
現代語訳・口語訳・意味
亡くなった姫君(尼君の娘・紫の上の母)は、十歳ぐらいで殿(故姫君の父・尼君の夫・紫の上からみれば母方の祖父)に先立たれなさったときには、とても道理を理解していらっしゃったのですよ。
品詞分解
| 単語 | 品詞 | 敬意の向き |
| 故姫君 | ー | ー |
| は、 | 係助詞 | ー |
| 十 | ー | ー |
| ばかり | 副助詞 | ー |
| にて | 格助詞 | ー |
| 殿 | ー | ー |
| に | 格助詞 | ー |
| 後れ | ラ行下二段活用「おくる」の連用形 | ー |
| 給ひ | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用「たまふ」の連用形 | 尼君→姫君 |
| し | 過去の助動詞「き」の連体形 | ー |
| ほど、 | ー | ー |
| いみじう | シク活用の形容詞「いみじ」の連用形「いみじく」のウ音便 | ー |
| もの | ー | ー |
| は | 係助詞 | ー |
| 思ひ知り | ラ行四段活用「おもひしる」の連用形 | ー |
| 給へ | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用「たまふ」の已然形 | 尼君→姫君 |
| り | 完了の助動詞「り」の連用形 | ー |
| し | 過去の助動詞「き」の連体形 | ー |
| ぞ | 係助詞 | ー |
| かし。 | 終助詞 | ー |
主な出典
【源氏物語「若紫・北山の垣間見」】
尼君、髪をかきなでつつ、「けづることをうるさがり給へど、をかしの御髪や。いとはかなうものし給ふこそ、あはれにうしろめたけれ。かばかりになれば、いとかからぬ人もあるものを。故姫君は、十ばかりにて殿に後れ給ひしほど、いみじうものは思ひ知り給へりしぞかし。ただ今、おのれ見捨て奉らば、いかで世におはせむとすらむ。」とて、いみじく泣くを見給ふも、すずろに悲し。