「寝たるよしにて、出で来るを待ちける」の現代語訳・口語訳・意味
原文
さりとて、
しいださむを待ちて
寝ざらむも、
わろかりなむと思ひて、
片方に
寄りて、寝たるよしにて、
出で来るを待ちけるに、
すでにしいだしたるさまにて、
ひしめき合ひたり。
現代語訳・口語訳・意味
だからといって、作り上げるのを待って寝ないのも、きっとよくないだろうと思い、(部屋の)片隅に寄って
寝ているふりをして、出来上がるのを待っていたところ、もう作り上げたようで、(僧たちが)一緒に騒ぎ立てています。
品詞分解
| 寝 | ナ行下二段活用「ぬ」の連用形 |
| たる | 存続の助動詞「たり」の連体形 |
| よし | 名詞 |
| にて、 | 格助詞 |
| いで来る | カ行変格活用「いでく」の連体形 |
| を | 格助詞 |
| 待ち | タ行四段活用「まつ」の連用形 |
| ける | 過去の助動詞「けり」の連体形 |
主な出典
【宇治拾遺物語「児のそら寝」】
さりとて、しいださむを待ちて寝ざらむも、わろかりなむと思ひて、片方に寄りて、寝たるよしにて、出で来るを待ちけるに、すでにしいだしたるさまにて、ひしめき合ひたり。