さだめなし/定め無し
このテキストでは、ク活用の形容詞「
さだめなし/定め無し」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
形容詞・ク活用
未然形 | さだめなく | さだめなから |
連用形 | さだめなく | さだめなかり |
終止形 | さだめなし | ◯ |
連体形 | さだめなき | さだめなかる |
已然形 | さだめなけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | さだめなかれ |
■意味1
確かでない、はかない。
[出典]:
草加 奥の細道
「耳にふれていまだ目に見ぬ境、もし生きて帰らばと、
定めなき頼みの末をかけ、その日やうやう草加といふ宿にたどり着きにけり。」
[訳]:話には聞いてもまだ見たことのない場所(を見て)、もし生きて帰ることができたら(幸いだ)と、
はかない望みをあてにして、その日、やっとのことで草加という宿にたどり着いた。
■意味2
無常である、一定しない。
[出典]:
あだし野の露消ゆる時なく 徒然草
「世は
定めなきこそいみじけれ。」
[訳]:この世は
無常だからこそ素晴らしいのです。