ごす/期す
このテキストでは、サ行変格活用の動詞「
ごす/期す」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
※「
きす/期す」と読むと異なる意味になるので注意が必要
サ行変格活用
未然形 | ごせ |
連用形 | ごし |
終止形 | ごす |
連体形 | ごする |
已然形 | ごすれ |
命令形 | ごせよ |
■意味1:他動詞
予定する、あらかじめ計画に入れておく。
[出典]:
ある人、弓射ることを習ふに 徒然草
「道を学する人、夕には朝あらむことを思ひ、朝には夕あらむことを思ひて、重ねてねんごろに修せむことを
期す。」
[訳]:仏道を修行する人は、夕方には明日の朝があるだろうと思い、朝には夕方があるだろうと思って、(あとで)もう一度丁寧に修行しようということを
あらかじめ計画に入れておきます。
■意味2:他動詞
期待する、待ち望む、将来に希望を抱く。
[出典]:都遷り 方丈記
「時を失ひ世に余されて、期するところなき者は、憂へながらとまりをり。」
[訳]:(出世の)機会を失い世間から余所者にされて、将来に期待するところのない者は、愚痴をこぼしながら(旧都に)留まっている。
■意味3:他動詞
覚悟する、決意する、決心する。
[出典]:嗣信最期 平家物語
「敵の矢にあたって死なんこと、もとより期するところで候ふなり。」
[訳]:敵の矢に当って死ぬようなことは、もともと覚悟することでございます。