あやふし/危ふし
このテキストでは、ク活用の形容詞「
あやふし/危ふし」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
形容詞・ク活用
未然形 | あやふく | あやふから |
連用形 | あやふく | あやふかり |
終止形 | あやふし | ◯ |
連体形 | あやふき | あやふかる |
已然形 | あやふけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | あやふかれ |
■意味1
危ない、危険と思われる。
[出典]:
高名の木登り 徒然草
「高名の木登りと言ひし男、人をおきてて、高き木に登せてこずゑを切らせしに、いと
危ふく見えしほどは言ふこともなくて、降るるときに軒たけばかりになりて...」
[訳]:名高い木登りと言った男が、人に指示をして、高い木に登らせて梢を切らせたところ、(作業場が高く)とても
危なく見えたときには声をかけることもなく、(高い所から)降りてくるときに軒の高さぐらいになって ...
■意味2
心配だ、気がかりだ、不安だ。
[出典]:夕顔 源氏物語
「『火危ふし』と言ふ言ふ...」
[訳]:「火が気がかりだ」と言うことには...