「ばう/坊」の意味・活用・使用例【名詞】
このテキストでは、古文単語「
ばう/坊」の意味、解説とその使用例を記している。
名詞
■意味1
平城京・平安京の区画を表す単位。
■意味2
(「東宮坊」の略で)
東宮の御殿、皇太子。
[出典]:
桐壷 源氏物語
「この御子生まれ給ひて後は、いと心異に思ほしおきてたれば、
坊にも、ようせずは、この御子の居給ふべきなめりと、一の皇子の女御は思し疑へり」
[訳]:この皇子がお生まれになってから後は、(帝は更衣のことを)たいそう格別にお心にかけ(るよう取り決め)られたので、
皇太子にも、ひょっとしたら、この皇子がおつきになられるのかもしれないと、第一の皇子の女御はお思い疑いになっています
■意味3
僧のいる場所、僧坊、寺の宿泊所、宿坊。
[出典]:
立石寺 奥の細道
「日いまだ暮れず。ふもとの
坊に宿借りおきて、山上の堂に登る。」
[訳]:日はまだ暮れていない。山のふもとの
宿坊に宿を借りて、山上にある堂に登る。
■意味4
僧侶、お坊さん。
[出典]:福井 奥の細道
「いづくより渡り給ふ道心の御坊にや。」
[訳]:どちらからおいでになった仏心を求めるお坊様でしょうか。