おこなふ/行ふ
このテキストでは、ハ行四段活用の動詞「
おこなふ/行ふ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
ハ行四段活用
未然形 | おこなは |
連用形 | おこなひ |
終止形 | おこなふ |
連体形 | おこなふ |
已然形 | おこなへ |
命令形 | おこなへ |
■意味1:自動詞
仏道を修行する、勤行する。
[出典]:
若紫・北山の垣間見 源氏物語
「人々は帰し給ひて、惟光朝臣とのぞき給へば、ただこの西面にしも、持仏据ゑ奉りて
行ふ尼なりけり。」
[訳]:従者はお帰しになって、惟光朝臣と(一緒に家の中を)のぞき見なさると、ちょうどこの西面の部屋に、持仏をお置き申し上げて
勤行するのは尼なのでした。
■意味2:他動詞
(儀式や行事を)
行う、催す。
[出典]:御国譲りの節会行はれて 徒然草
「御国譲りの節会行はれて...」
[訳]:天皇の譲位の儀式が行われて...
■意味3:他動詞
国や領土を治める、政治を執り行う、処理する。
[出典]:心なしと見ゆる者 徒然草
「世の人飢ゑず、寒からぬやうに、世を行はまほしきなり。」
[訳]:世間の人が飢えず、寒い思いをしないように、政治を執り行ってほしいものである。
■意味4:他動詞
指示する、命令してやらせる。
※この用法の場合、{命令文+と+おこなふ」の形で用いられる。
[出典]:今昔物語
「『行きて彼からめよ。』と行へば...」
[訳]:「行ってあいつを捕まえろ。」と指示すると...
■意味5:他動詞
与える、施す。