かたへ/片方
このテキストでは、古文単語「
かたへ/片方」の意味、解説とその使用例を記している。
名詞
■意味1
片方、対になっているものの一方。
[出典]:古今和歌集
「夏と秋と行き交ふ空の通ひ路はかたへ涼しき風や吹くらむ 」
[訳]:夏と秋がすれ違う空の通り道では、片方に涼しい風が吹いているのではないだろうか
■意味2
一部分、半分。
[出典]:
帰京 土佐日記
「五年六年のうちに、千年や過ぎにけむ、
かたへはなくなりにけり。」
[訳]:5、6年のうちに、1000年も過ぎてしまったのだろうか、(松の)
一部分がなくなってしまっていた。
■意味3
かたはら、そば、側近。
[出典]:
仁和寺にある法師 徒然草
「さて、
かたへの人にあひて、『年ごろ思ひつること、果たしはべりぬ。 』」
[訳]:さて、
側にいる人にあって言うことには、「長年願っていたことを、果たしてきました。
■意味4
仲間、同僚、そばの人。
[出典]:心なしと見ゆる者も 徒然草
「ある荒夷の恐ろしげなるが、かたへにあひて...」
[訳]:ある東国の武士で恐ろしそうなのが、そばの人に向かって(言うことには)...