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古文単語「あぐ/上ぐ/挙ぐ/揚ぐ」の意味・解説【ガ行下二段活用】

著者名: 走るメロス
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あぐ/上ぐ/挙ぐ/揚ぐ

このテキストでは、ガ行下二段活用の動詞「あぐ/上ぐ/挙ぐ/揚ぐ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

ガ行下二段活用

未然形あげ
連用形あげ
終止形あぐ
連体形あぐる
已然形あぐれ
命令形あげよ


意味1:他動詞

(下から上に)
上げる

[出典]雪のいと高う降りたるを 枕草子
「『少納言よ、香炉峰の雪いかならむ。』と仰せらるれば、御格子上げさせて、御簾を高く上げたれば...」

[訳]:「清少納言よ、香炉峰の雪はどうなっているだろうか。」とおっしゃるので、(私は人に命じて)御格子を上げさせて、御簾を高く上げたところ...


意味2:他動詞

髪を結い上げる、髪上げをする

[出典]筒井筒 伊勢物語
「くらべこし振り分け髪も肩過ぎぬ君ならずしてたれかあぐべき」

[訳]:(あなたと長さを)比べ合ってきた私の振り分け髪も、(長くなって)肩を過ぎました。あなた以外の誰のためにこの髪を結い上げましょうか。




意味3:他動詞

(都や身分の高い人の元へ)
行かせる

[出典]門出・東路の道の果て 更級日記
「京にとく上げたまひて、物語の多く候ふなる、ある限り見せたまへ。」

[訳]:(私を)都に早く上らせてくださって、たくさんあると聞く物語を、この世にある限りお見せくださいませ。


意味4:他動詞

(声や調子を)
大きくする、高める

[出典]宇治川先陣 平家物語
「佐々木、鐙踏んばり立ち上がり、大音声をあげて名のりけるは...」

[訳]:佐々木高綱は、鐙に踏ん張り立って、大声をあげて名乗ったことには...




意味5:他動詞

名声を誇る、評判を得る

※この用法の場合、「名を上ぐ」などの形で用いられる。
[出典]:五節之沙汰 平家物語
「後代に名をあげたりし者にて候ふ。」

[訳]:後の世まで名声を誇っていた者でございます。


意味6:他動詞

終了する、乗馬で乗り納めをする

[出典]:伊尹 大鏡
「おもしろく上げたまへば、御気色直りて...」

[訳]:(馬を)見事に乗り納めなさると、(花山院の)ご機嫌も直って...




意味7:他動詞

差し上げる、奉納する

[出典]:鶴の林 栄花物語
「経一偈をあげさせ給ひて...」

[訳]:偈(お経の一種)を奉納なさって...


意味8:他動詞

昇格させる

[出典]:夜の寝覚
「弁少将を右大将にあげて...」

[訳]:弁少将を右大将に昇格させて...

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全訳読解古語辞典 第四版 三省堂
ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse

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