原文(白文)
承歓侍宴無
閑暇
春従春遊
夜専夜
後宮佳麗三千人
三千寵愛在一身
金屋粧成嬌侍夜
玉楼宴罷酔和春
姉妹弟兄皆列土
可憐光彩生門戸
遂令天下父母心
不重生男重生女
■書き下し文
歓を承(う)け宴に侍して閑暇(かんか)無く
春は春の遊びに従ひ夜は夜を専らにす
後宮の佳麗三千人
三千の寵愛一身に在り
金屋(きんおく)粧(よそほ)ひ成りて嬌として夜に侍し
玉楼(ぎょくろう)宴罷(や)んで酔ひて春に和す
姉妹弟兄皆土を列(つら)ぬ
憐れむべし光彩の門戸に生ずるを
遂に天下の父母の心をして
男を生むを重んぜず女を生むを重んぜしむ
■現代語訳(口語訳)
皇帝の寵愛を受け、宴にも付き従って(彼女には)暇がありません。
春には春の遊びに(皇帝と2人で)興じ、夜には(皇帝の)夜の相手を独占しました。
給電には美人が三千人いましたが、
(彼女は)その三千人分の寵愛を一身に受けたのです。
立派な御殿で化粧をし、夜には艶めかしく侍り、
美しい楼閣で宴が終わると、酔って春の気分にふけるのでした。
(彼女の)姉妹兄弟は皆、領地を賜り、
うらやましいことです、美しい光が(一族の)門戸に指しているようです。
とうとう世の中の父母たちの心には、
男子を産むことを重視させず、女子を産むのを重視させるようになったのです。
■単語解説
| 閑暇 | 暇 |
| 夜専夜 | 「専」は「独占する、独り占めする」の意味 |
| 金屋 | 立派な建物、御殿 |
| 遂令天下父母心 | 「令」は使役を表す。「令AB」で「AをしてB(せ)しむ」と読み、「AにBさせる」と訳す |
■押韻
「暇と夜」、「人、身、春」、「土、戸、女」がそれぞれ韻を踏んでいます。