テストに役立つ!大鏡『競べ弓・南院の競射・道長と伊周・弓争ひ』の品詞分解
このテキストでは、
大鏡の一節『
競べ弓』(
帥殿の、南院にて人々集めて弓あそばししに〜)の品詞分解を記しています。書籍によっては、「
南院の競射」、「
道長と伊周」、「
弓争ひ」、「
道長と伊周の競射」などと題されているものもあります。
※前回のテキスト:
「世間の光にておはします〜」の品詞分解
現代語訳
「帥殿の、南院にて〜」の現代語訳と解説
大鏡とは
大鏡は平安時代後期に成立したとされる歴史物語です。藤原道長の栄華を中心に、宮廷の歴史が描かれています。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■帥殿の、南院にて人々集めて弓あそばししに、この殿わたらせ給へれば、「思ひかけずあやし。」と、中関白殿思し驚きて、いみじう饗応し申させ給ふて、下臈におはしませど、
帥殿 | ー |
の、 | 格助詞 |
南院 | ー |
にて | 格助詞 |
人々 | ー |
集め | マ行下二段活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
弓 | ー |
あそばし | サ行四段活用・連用形 |
し | 過去の助動詞・連体形 |
に、 | 格助詞 |
こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
殿 | ー |
わたら | ラ行四段活用・未然形 |
せ | 尊敬の助動詞・連用形 |
給へ | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・已然形または命令形 |
れ | 完了の助動詞・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
「思ひかけ | カ行下二段活用・未然形 |
ず | 打消の助動詞・連用形 |
あやし。」 | 形容詞・シク活用・終止形 |
と、 | 終助詞 |
中関白殿 | ー |
思し驚き | カ行四段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
いみじう | 形容詞・シク活用・連用形のウ音便 |
饗応し | サ行変格活用・連用形 |
申さ | 謙譲の補助動詞・サ行四段活用・未然形 |
せ | 尊敬の助動詞・連用形 |
給う | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・連用形のウ音便 |
て、 | 接続助詞 |
下臈 | ー |
に | 断定の助動詞・連用形 |
おはしませ | 尊敬の補助動詞・サ行四段活用・已然形 |
ど、 | 接続助詞 |
■前に立て奉りて、まづ射させ奉らせ給ひけるに、帥殿の矢数いま二つ劣り給ひぬ。
前 | ー |
に | 格助詞 |
立て | タ行下二段活用・連用形 |
奉り | 謙譲の補助動詞・ラ行四段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
まづ | 副詞 |
射 | ヤ行上一段活用・未然形 |
させ | 使役の助動詞・連用形 |
奉ら | 謙譲の補助動詞・ラ行四段活用・未然形 |
せ | 尊敬の助動詞・連用形 |
給ひ | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・連用形 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
に、 | 接続助詞 |
帥殿 | ー |
の | 格助詞 |
矢数 | ー |
いま | 副詞 |
二つ | ー |
劣り | ラ行四段活用・連用形 |
給ひ | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・連用形 |
ぬ。 | 完了の助動詞・終止形 |
■中関白殿、また御前に候ふ人々も、「いま二度延べさせ給へ。」と申して、延べさせ給ひけるを、安からず思しなりて、
中関白殿、 | ー |
また | 接続詞 |
御前 | ー |
に | 格助詞 |
候ふ | ハ行四段活用・連体形 |
人々 | ー |
も、 | 係助詞 |
「いま | 副詞 |
二度 | ー |
延べ | バ行下二段活用・未然形 |
させ | 尊敬の助動詞・連用形 |
給へ。」 | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・命令形 |
と | 格助詞 |
申し | サ行四段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
延べ | バ行下二段活用・未然形 |
させ | 尊敬の助動詞・連用形 |
給ひ | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・連用形 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
を、 | 接続助詞 |
安から | 形容詞・ク活用・未然形 |
ず | 打消の助動詞・連用形 |
思しなり | ラ行四段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
■「さらば延べさせ給へ。」と仰せられて、また射させ給ふとて、仰せらるるやう、
「さらば、 | 接続詞 |
延べ | バ行下二段活用・未然形 |
させ | 尊敬の助動詞・連用形 |
給へ。」 | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・命令形 |
と | 格助詞 |
仰せ | サ行下二段活用・未然形 |
られ | 尊敬の助動詞・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
また | 副詞 |
射 | ヤ行上一段活用・未然形 |
させ | 尊敬の助動詞・連用形 |
給ふ | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・終止形 |
とて、 | 格助詞または格助詞「と」+接続助詞「て」 |
仰せ | サ行下二段活用・未然形 |
らるる | 尊敬の助動詞・連体形 |
やう、 | ー |
■「道長が家より帝・后立ち給ふべきものならば、この矢当たれ。」と仰せられるるに、同じものを中心には当たるものかは。
「道長 | ー |
が | 格助詞 |
家 | ー |
より | 格助詞 |
帝・后 | ー |
立ち | タ行四段活用・連用形 |
給ふ | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・終止形 |
べき | 当然の助動詞・連体形 |
もの | ー |
なら | 断定の助動詞・未然形 |
ば、 | 接続助詞 |
こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
矢 | ー |
当たれ。」 | ラ行四段活用・命令形 |
と | 格助詞 |
仰せ | サ行下二段活用・未然形 |
らるる | 尊敬の助動詞・連体形 |
に、 | 接続助詞 |
同じ | 形容詞・シク活用・連体形 |
ものを | 接続助詞 |
中心 | ー |
に | 格助詞 |
は | 係助詞 |
当たる | ラ行四段活用・連体形 |
ものかは。 | 終助詞 |