■御自らものたまふなるは、「作文のにぞ乗るべかりける。さてかばかりの詩をつくりたらましかば、名の上がらむこともまさりなまし。口惜しかりけるわざかな。
| 御自ら | ー |
| も | 係助詞 |
| のたまふ | ハ行四段活用・終止形 |
| なる | 伝聞の助動詞・連体形 |
| は、 | 係助詞 |
| 「作文 | ー |
| の | 格助詞 |
| に | 格助詞 |
| ぞ | 係助詞 |
| 乗る | ラ行四段活用・終止形 |
| べかり | 適当の助動詞・連用形 |
| ける。 | 詠嘆の助動詞・連体形 |
| さて | 副詞 |
| かばかり | 副詞 |
| の | 格助詞 |
| 詩 | ー |
| を | 格助詞 |
| つくり | ラ行四段活用・連用形 |
| たら | 完了の助動詞・未然形 |
| ましか | 反実仮想の助動詞・未然形 |
| ば、 | 接続助詞 |
| 名 | ー |
| の | 格助詞 |
| 上がら | ラ行四段活用・未然形 |
| む | 婉曲の助動詞・連体形 |
| こと | ー |
| も | 係助詞 |
| まさり | ラ行四段活用・連用形 |
| な | 強意の助動詞・未然形 |
| まし。 | 反実仮想の助動詞・終止形 |
| 口惜しかり | 形容詞・シク活用・連用形 |
| ける | 詠嘆の助動詞・連体形 |
| わざ | ー |
| かな。 | 終助詞 |
■さても、殿の、『いづれにかと思ふ』とのたまはせしになむ、我ながら心おごりせられし。」とのたまふなる。
| さても、 | 接続詞 |
| 殿 | ー |
| の、 | 格助詞 |
| 『いづれ | 代名詞 |
| に | 格助詞 |
| か | 係助詞 |
| と | 格助詞 |
| 思ふ。』 | ハ行四段活用・連体形 |
| と | 格助詞 |
| のたまはせ | サ行下二段活用・連用形 |
| し | 過去の助動詞・連体形 |
| に | 格助詞 |
| なむ、 | 係助詞 |
| 我 | ー |
| ながら | 接続助詞 |
| 心おごりせ | サ行変格活用・未然形 |
| られ | 自発の助動詞・連用形 |
| し。」 | 過去の助動詞・連体形 |
| と | 格助詞 |
| のたまふ | ハ行四段活用・終止形 |
| なる。 | 伝聞の助動詞・連体形 |
■一事の優るるだにあるに、かくいづれの道も抜け出で給ひけむは、いにしへも侍らぬことなり。
| 一事 | ー |
| の | 格助詞 |
| 優るる | ラ行下二段活用・連体形 |
| だに | 副助詞 |
| ある | ラ行変格活用・連体形 |
| に、 | 接続助詞 |
| かく | 副詞 |
| いづれ | 代名詞 |
| の | 格助詞 |
| 道 | ー |
| も | 係助詞 |
| 抜け出で | ダ行下二段活用・連用形 |
| 給ひ | 補助動詞・ハ行四段活用・連用形・尊敬語 |
| けむ | 過去伝聞の助動詞・連体形 |
| は、 | 係助詞 |
| いにしへ | ー |
| も | 係助詞 |
| 侍ら | ラ行変格活用・未然形 |
| ぬ | 打消の助動詞・連体形 |
| こと | ー |
| なり。 | 断定の助動詞・終止形 |
※現代語訳:
大鏡『三船の才(公任の誉れ)』のわかりやすい現代語訳と解説・文法
関連テキスト
・大鏡『
競べ弓』
・大鏡『
花山院の出家』
・大鏡『
肝だめし・道長の豪胆』
・大鏡『
三船の才(公任の誉れ)』
・大鏡『
菅原道真の左遷(東風吹かば)』
・大鏡『
雲林院の菩提講』
・大鏡『
最後の除目・兼通と兼家の不和』
著者情報:走るメロスはこんな人
学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。