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蜻蛉日記原文全集「中の十日のほどに」

著者名: 古典愛好家
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蜻蛉日記

中の十日のほどに

中の十日のほどに、この人々、方わきて、小弓のことせんとす。かたみに出居(いでゐ)などぞしさわぐ。しりへの方のかぎり、ここにあつまりて馴らす日、女方に賭物乞ひたれば、さるべき物やたちまちにおぼえざりけむ、わびざれに、あをき紙を柳の枝にむすびつけたり。

山風のまへこそふけばこの春の やなぎのいとはしりへにぞよる

返し、口々したれど、わするるほどおしはからなむ。ひとつはかくぞある。

かずかずにきみかたよりてひくなれば 柳のまゆも今ぞひらくる

「つごもりがたにせん」


とさだむるほどに、世の中に、いかなるとがまさりたりけむ、天下の人ながるると、ののしること出で来て、まぎれにけり。



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・蜻蛉日記原文全集「中の十日のほどに」

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長谷川 政春,伊藤 博,今西 裕一郎,吉岡 曠 1989年「新日本古典文学大系 土佐日記 蜻蛉日記 紫式部日記 更級日記」岩波書店
The University of Virginia Library Electronic Text Center and the University of Pittsburgh East Asian Library http://etext.lib.virginia.edu/japanese/

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