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枕草子 原文全集「男は、女親なくなりて」

著者名: 古典愛好家
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男は、女親なくなりて

男は、女親(めおや)なくなりて、男親(をおや)の一人ある。いみじう思へど、心わづらはしき北の方出できてのちは、内にもいれたてず、装束などは乳母(めのと)、また故上の御人どもなどしてせさせす。
 

西東(にしひんがし)の対のほどに、まらうとゐなどをかし。屏風、障子の絵も見どころありて住まひたり。殿上のまじらひのほど、くちをしからず人々も思ひ、上も御気色よくて、つねに召して御遊びなどのかたきにおぼしめしたるに、なほつねにものなげかしく、世の中心にあはぬ心地して、すきずきしき心ぞ、かたはなるまであべき。


上達部(かんだちめ)の、またなきさまにてもかしづかれたる妹、一人あるばかりにぞ、思ふことうち語らひ、なぐさめ所なりける。



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・枕草子 原文全集「男は、女親なくなりて」

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渡辺実 1991年「新日本古典文学大系 枕草子・方丈記」岩波書店
松尾聰,永井和子 1989年「完訳 日本の古典 枕草子」小学館
萩谷朴 1977年「新潮日本古典集成 枕草子 下」 新潮社

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