加法定理を使った90°+θの三角比の公式の証明
θが0°≦θ≦90°のとき、次の公式が成り立ちます。
これらの公式を、
加法定理を使って証明していきましょう。加法定理は数学Ⅱで学習する範囲なので、数学Ⅰしか学習していない人は、こういう解き方もあるのかと思うぐらいで大丈夫です。
図を用いた証明はこちらから。
90°+θの三角比[公式の証明]
証明
■sin(90°+θ)
正弦の加法定理
"sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβ"より
sin(90°+θ)=sin90°cosθ+cos90°sinθ
"sin90°=1","cos90°=0"より
sin(90°+θ)=sin90°cosθ+cos90°sinθ=cosθ
よって"sin(90°+θ)=cosθ"が成り立つことが証明されました。
■cos(90°+θ)
余弦の加法定理
"cos(α+β)=cosαcosβ−sinαsinβ"より
cos(90°+θ)=cos90°cosθ−sin90°sinθ
"sin90°=1","cos90°=0"より
cos(90°+θ)=cos90°cosθ−sin90°sinθ=−sinθ
よって"cos(90°+θ)=−sinθ"が成り立つことが証明されました。
■tan(90°+θ)
正接の加法定理
を使って
としたいところですが、tan90°という値は存在しないので、この計算式を解くことはできません。よって加法定理を使って"tan(90°+θ)"の公式の証明はできないことになります。