「大江山の歌・小式部内侍が大江山の歌のこと」の品詞分解
このテキストでは、
十訓抄の一節『
大江山の歌』の品詞分解を記しています。書籍によっては『
小式部内侍が大江山の歌の事』や『
大江山』と題されているものもあるようです。同様の物語が古今著聞集にも収録されていますが、原文が若干異なります。
※現代語訳:
十訓抄『大江山』わかりやすい現代語訳と解説
※古今著聞集Ver.:
『小式部内侍が大江山の歌のこと』の品詞分解
十訓抄とは
※
十訓抄は鎌倉中期の説話集です。編者は未詳です。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■和泉式部、保昌が妻にて、丹後に下りけるほどに、京に歌合ありけるを、小式部内侍、歌詠みにとられて、歌を詠みけるに、
和泉式部、 | ー |
保昌 | ー |
が | 格助詞 |
妻 | ー |
にて、 | 格助詞 |
丹後 | ー |
に | 格助詞 |
下り | ラ行四段活用・連用形 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
ほど | ー |
に、 | 格助詞 |
京 | ー |
に | 格助詞 |
歌合 | ー |
あり | ラ行変格活用・連用形 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
に、 | 接続助詞 |
小式部内侍、 | ー |
歌詠み | ー |
に | 格助詞 |
とら | ラ行四段活用・未然形 |
れ | 受身の助動詞・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
詠み | マ行四段活用・連用形 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
を、 | 接続助詞 |
■定頼の中納言たはぶれて、小式部内侍ありけるに、「丹後へ遣はしける人は参りたりや。いかに心もとなく思すらむ。」と言ひて、局の前を過ぎられけるを、
定頼の中納言 | ー |
たはぶれ | ラ行下二段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
小式部内侍、 | ー |
あり | ラ行変格活用・連用形 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
に、 | 格助詞 |
「丹後 | ー |
へ | 格助詞 |
遣はし | サ行四段活用・連用形 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
人 | ー |
は | 係助詞 |
参り | ラ行四段活用・連用形 |
たり | 完了の助動詞・終止形 |
や。 | 係助詞 |
いかに | 副詞 |
心もとなく | 形容詞・ク活用・連用形 |
おぼす | サ行四段活用・終止形 |
らむ。」 | 現在推量の助動詞・連体形 |
と | 格助詞 |
言ひ | ハ行四段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
局 | ー |
の | 格助詞 |
前 | ー |
を | 格助詞 |
過ぎ | ガ行上二段活用・未然形 |
られ | 尊敬の助動詞・連用形 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
を、 | 接続助詞 |
■御簾より半らばかり出でて、わづかに直衣の袖を控へて「大江山いくのの道の遠ければまだふみもみず天の橋立」と詠みかけけり。
御簾 | ー |
より | 格助詞 |
半ら | ー |
ばかり | 副助詞 |
出で | ダ行下二段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
わづかに | 形容動詞・ナリ活用・連用形 |
直衣 | ー |
の | 格助詞 |
袖 | ー |
を | 格助詞 |
控へ | ハ行下二段活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
大江山 | ー |
いくの | ー |
の | 格助詞 |
道 | ー |
の | 格助詞 |
遠けれ | 形容詞・ク活用・已然形 |
ば | 接続助詞 |
まだ | 副詞 |
ふみ | ー |
も | 係助詞 |
み | マ行上一段活用・未然形 |
ず | 打消の助動詞・終止形 |
天の橋立 | ー |
と | 格助詞 |
詠みかけ | カ行下二段活用・連用形 |
けり。 | 過去の助動詞・終止形 |