テストに役立つ!枕草子『すさまじきもの』の品詞分解
このテキストでは、
枕草子の一節『
すさまじきもの』の「
除目に司えぬ人の家〜」から始まる箇所の品詞分解を記しています。書籍によっては内容が異なる場合があります。
現代語訳
『すさまじきもの(除目に司えぬ人の家〜)』の現代語訳
枕草子とは
枕草子は
清少納言によって書かれたとされる随筆です。
清少納言は平安時代中期の作家・歌人で、一条天皇の皇后であった中宮定子に仕えました。ちなみに
枕草子は、
兼好法師の『
徒然草』、
鴨長明の『
方丈記』と並んで「
古典日本三大随筆」と言われています。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■除目に司得ぬ人の家。今年は必ずと聞きて、はやうありし者どもの、ほかほかなりつる、田舎だちたる所に住む者どもなど、みなあつまり来て、
除目 | ー |
に | 格助詞 |
司 | ー |
え | ア行下二段活用・未然形 |
ぬ | 打消の助動詞・連体形 |
人 | ー |
の | 格助詞 |
家。 | ー |
今年 | ー |
は | 係助詞 |
必ず | 副詞 |
と | 格助詞 |
聞き | カ行四段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
はやう | 副詞「はやく」のウ音便 |
あり | ラ行変格活用・連用形 |
し | 過去の助動詞・連体形 |
者ども | ー |
の、 | 格助詞 |
ほかほかなり | 形容動詞・ナリ活用・連用形 |
つる、 | 完了の助動詞・連体形 |
田舎だち | タ行四段活用・連用形 |
たる | 存続の助動詞・連体形 |
所 | ー |
に | 格助詞 |
住む | マ行四段活用・連体形 |
者ども | ー |
など、 | 副助詞 |
みな | ー |
集まり来 | カ行変格活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
■出入る車の轅もひまなく見え、もの詣でする供に、我も我もと参りつかうまつり、物食ひ酒飲み、ののしりあへるに、
出で入る | ラ行四段活用・連体形 |
車 | ー |
の | 格助詞 |
轅 | ー |
も | 係助詞 |
ひまなく | 形容詞・ク活用・連用形 |
見え、 | ヤ行下二段活用・連用形 |
もの詣で | ー |
する | サ行変格活用・連体形 |
供 | ー |
に、 | 格助詞 |
我 | 代名詞 |
も | 係助詞 |
我 | 代名詞 |
も | 係助詞 |
と | 格助詞 |
参り | ラ行四段活用・連用形 |
つかうまつり、 | ラ行四段活用「つかへまつる」連用形のウ音便 |
物 | ー |
食ひ | ハ行四段活用・連用形 |
酒 | ー |
飲み、 | マ行四段活用・連用形 |
ののしりあへ | ハ行四段活用・已然形または命令形 |
る | 存続の助動詞・連体形 |
に、 | 接続助詞 |
■はつる暁まで門たたく音もせず、あやしうなど、耳たてて聞けば、前駆追ふ声々などして、上達部などみな出で給ひぬ。
はつる | タ行下二段活用・連体形 |
暁 | ー |
まで | 副助詞 |
門 | ー |
たたく | カ行四段活用・連体形 |
音 | ー |
も | 係助詞 |
せ | サ行変格活用・未然形 |
ず、 | 打消の助動詞・連用形 |
あやしう | 形容詞・シク活用・連用形のウ音便 |
など、 | 副助詞 |
耳たて | タ行四段活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
聞け | カ行四段活用・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
前駆追ふ | ハ行四段活用・連体形 |
声々 | ー |
など | 副助詞 |
し | サ行変格活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
上達部 | ー |
など | 副助詞 |
みな | ー |
出で | ダ行下二段活用・連用形 |
給ひ | 補助動詞・ハ行四段活用・連用形・尊敬語 |
ぬ。 | 完了の助動詞・終止形 |
■もの聞きに宵より寒がりわななきをりける下衆男、いともの憂げに歩み来るを見る者どもは、え問ひだにも問はず、
もの | ー |
聞き | カ行四段活用・連用形 |
に | 格助詞 |
宵 | ー |
より | 格助詞 |
寒がり | ラ行四段活用・連用形 |
わななきをり | ラ行変格活用・連用形 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
下衆男、 | ー |
いと | 副詞 |
もの憂げに | 形容動詞・ナリ活用・連用形 |
歩み来る | カ行変格活用・連体形 |
を | 格助詞 |
見る | マ行上一段活用・連体形 |
者ども | ー |
は、 | 係助詞 |
え | 副詞 |
問ひ | ハ行四段活用・連用形 |
に | 格助詞 |
だに | 副助詞 |
問は | ハ行四段活用・未然形 |
ず、 | 打消の助動詞・連用形 |
■ほかより来たる者などぞ、など問ふに、いらへには「何の前司にこそは。」などぞ、必ずいらふる。まことに頼みける者は、いと嘆かしと思へり。
ほか | ー |
より | 格助詞 |
来たる | ラ行四段活用・連体形 |
者 | ー |
など | 副助詞 |
ぞ、 | 係助詞 |
「殿 | ー |
は | 係助詞 |
何 | 代名詞 |
に | 格助詞 |
か | 係助詞 |
なら | ラ行四段活用・未然形 |
せ | 尊敬の助動詞・連用形 |
給ひ | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・連用形 |
たる。」 | 完了の助動詞・連体形 |
など | 副助詞 |
問ふ | ハ行四段活用・連体形 |
に、 | 接続助詞 |
いらへ | ー |
に | 格助詞 |
は | 係助詞 |
「何 | 代名詞 |
の | 格助詞 |
前司 | ー |
に | 格助詞 |
こそ | 係助詞 |
は。」 | 係助詞 |
など | 副助詞 |
ぞ、 | 係助詞 |
必ず | 副詞 |
いらふる。 | ハ行下二段活用・連体形 |
まことに | 副詞 |
頼み | マ行四段活用・連用形 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
者 | ー |
は、 | 係助詞 |
いと | 副詞 |
嘆かし | 形容詞・シク活用・終止形 |
と | 格助詞 |
思へ | ハ行四段活用・已然形または命令形 |
り。 | 存続の助動詞・終止形 |