「そこなりける岩に、指の血して書きつけける」の現代語訳・口語訳・意味・品詞分解
原文
女、いと
かなしくて、後に立ちて追ひ行けど、え追ひつかで、清水のある所に
伏しにけり。そこなりける岩に、指の血して
書きつけける。
現代語訳・口語訳・意味
女はとても悲しんで、(男の)後を追っていったが、とても追いつくことができずに、清水のあるところで倒れ伏してしまった。(そして)
そこにあった岩に、指の血で書きつけた(歌)。
品詞分解
| 単語 | 品詞 |
| そこ | 代名詞 |
| なり | 存在の助動詞「なり」の連用形 |
| ける | 過去の助動詞「けり」の連体形 |
| 岩 | 名詞 |
| に、 | 格助詞 |
| 指 | 名詞 |
| の | 格助詞 |
| 血 | 名詞 |
| して | 格助詞 |
| 書きつけ | カ行下二段活用「かきつく」の連用形 |
| ける。 | 過去の助動詞「けり」の連体形 |
主な出典
【伊勢物語『梓弓』】
女、いとかなしくて、後に立ちて追ひ行けど、え追ひつかで、清水のある所に伏しにけり。そこなりける岩に、指の血して書きつけける。「あひ思はで離れぬる人をとどめかねわが身は今ぞ消え果てぬめる」と書きて、そこにいたづらになりにけり。