「私物に思ほしかしづき給ふこと限りなし」の現代語訳・口語訳・意味
原文
この君をば、私物に
思ほしかしづき給ふこと
限りなし。
現代語訳・口語訳・意味
(新しくお生まれになった)この皇子には、
自分の大事なものとお思いになり大切にお育てなさることこの上ありません。
品詞分解
| かしづき | カ行四段活用「かしづく」の連用形 |
| 給ふ | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用「たまふ」の連体形 |
| こと | 名詞 |
| 限りなし。 | ク活用の形容詞「かぎりなし」の終止形 |
主な出典
【源氏物語「桐壷・光源氏の誕生」】
一の皇子は、右大臣の女御の御腹にて、寄せ重く、疑ひなき儲の君と、世にもてかしづき聞こゆれど、この御にほひには並び給ふべくもあらざりければ、おほかたのやむごとなき御思ひにて、この君をば、私物に思ほしかしづき給ふこと限りなし。